MIHOCOLUMN
#48 In Paris のお話
2020.02.28
2月初めに麻の国際会議出席も兼ねてパリに旅立ちました。
コロナウィルスで騒がれ始めた時です。
渡仏するにあたり現地でアジア人に対しての扱われかたも少し心配しましたが、いつものとおりでした。
世界中の麻の作り手が集まり、生産状況やファッション、トレンドに関連する事柄を各国がそれぞれスピーチし同時通訳も交えながらの会議。
その会議のエキシビジョンパーティーは何と!ルーブル美術館の中。
中国の方々は残念ながらウィルス関連で出国できませんでしたが、総勢約200名が同時にテーブルディナーという圧巻の体験でした。
フランスが世界に誇るルーブル美術館でのディナーを経験できたのは光栄でした。
さすがにテーブルクロスではありませんでしたがナプキンは麻100%のものでとても気持ちよく使えました。
今年のテーマは “サスティナブル” 最近よく聞く言葉ですね。
地球環境の事をもっと真剣に考えて実施していくことが大切。
サスティナブルは持続可能なものを使っていくべきという事。
使い捨てによるゴミの増加を失くし、長く持続できるものを大切に使っていくということです。
まさに麻はサスティナブルそのものの素材です。
何千年前のミイラの包帯は麻であったのですから。
仕事の合間を縫って、今回やっとMaison-Atelier Foujitaを訪ねることができました。感慨深いものでした。
ブランドネームであるGRAND FOND BLANC(グラン フォン ブラン)は主にフランスで活躍し名を馳せた藤田嗣治=レオナール・フジタ(1886-1968)の言葉をいただいたものだったのです。
FOUJITAは婦人の肌の白を非常に大切にし、独特の技法を人に披露することは一切ありませんでした。
“GRAND FOND BLANC?=すばらしき乳白色と一般的には訳されています。FOUJITAの作る白が素晴らしくなければ彼の成功はなかったでしょう。
もちろん日本の筆による輪郭の手法や緻密な描き方も同時に絶賛されていたのですが。
私達のGRAND FOND BLANCは麻のブランドで白を大切にしています。皆様におくり出す麻の白は基本であり、正統でなければならないと考えています。
今、改めてそのブランドネームの根源であるMAISONをたずね、間違いではなかったと確信しています。
思いもしなかった出会い
FOUJITAの考えと共通性を感じとりながら、アトリエの周辺を歩いているとフジタの隣の敷地のおばあちゃんに遭遇しました。
“私はフジタと会って話もしてるし、このとおり作品ももらったわ”といって家から持ってきて見せてくれました。
すごい!!生前のフジタを知っている方に合えるなんて。
しかも“土地の一部の庭部分も売ったのよ”って!
“ついてきなさい。フジタの墓に案内してあげる? ”!? 村の小径を5分くらい歩くと小さな墓園がありました。“ここがFOUJITAの墓よ。でも今は奥さんのキミヨさんがフジタの最後の作品であるランスのフジタ礼拝堂に移骨してしまったから。”
今はその礼拝堂にフジタと君代夫人の遺骨が埋葬されているようです。
晩年80歳を超えているにも関わらず、フレスコ画に取り組んだフジタ。亡くなる2年前に完成しました。すばらしいですね。
日本から否定され、フランス人として洗礼を受けたレオナール・フジタ。
ご存知ですか? レオナール・ダヴィンチが好きだったそうです。
そして“FOUJITA?のFOUはFUでもいいと思いませんか?FOUはフランス語でおどけ者とかいう意味。
僕はおどけ者なんだというちょっと笑いづらいジョークですね。
続きは又、来月!!